馬肉はヘルシーなお肉として注目を集めています。
馬肉はローカロリーで高タンパク質なためダイエットにもピッタリな食材です。
鉄分などの栄養も豊富に含みアスリートの体づくりにも活用されています。脂質が少ないので、さっぱりと食べられるのも特徴の一つです。
馬肉の栄養について詳しく解説します。
馬肉は脂質が少ない
馬肉は脂質が少ないことで有名です。脂質は、タンパク質と糖質と並んで「三大栄養素」と呼ばれています。三大栄養素とは人間が生きていくために必要不可欠なエネルギー源のことです。脂質の主な働きは、活動のためのエネルギーを作り出すことですが、その他にもホルモンの構成や臓器の保護、体を寒さから守るといった働きも持っています。
ビタミンAやDといった脂溶性ビタミンの吸収を促進する役割もあるため、非常に重要な栄養素です。ただし、脂質は摂取量に気をつけなくてはいけません。脂質は過剰に摂取してしまうと中性脂肪や悪玉コレステロールを増加させてしまいます。これによって体脂肪が増加し、肥満の原因になってしまうからです。さらに悪玉コレステロールの影響で高脂血症、動脈硬化、心臓病などの生活習慣病のリスクが高まる可能性があります。
脂質は大切な栄養素ですが、現代の食事であれば十分に脂質が含まれているので脂質不足になることは、ほぼありません。むしろ脂質は摂りすぎている傾向にあるので、意識的にコントロールすることが望ましいです。栄養バランスに気をつけつつ、脂質を摂りすぎないように心がけましょう。
脂質コントロールのためには、脂質の少ない食材を使用します。揚げたり炒めたりするよりも、油を多く必要としない煮る、蒸すといった調理方法を選ぶのがベストです。脂質コントロールに適している食材の一つが馬肉です。
肉100g中に含まれる脂質
肉の種類 | 100g中に含まれる脂質 |
馬肉 | 2.5g |
牛肉(もも) | 10.7g |
牛肉(リブロース) | 27.5g |
豚肉(肩ロース) | 22.6g |
鶏肉(むね肉) | 1.5g |
参考資料(文部科学省「五訂増補日本食品標準成分表」)
このように馬肉は牛、豚と比較しても鶏胸肉並みに脂質が低いのが特徴です。加えて馬肉は生食が可能という大きなメリットを持っています。馬刺しであれば調理に油を使用しないため脂質を大きくカットすることが可能です。
馬肉は他の肉類よりも食中毒の原因となる菌が増殖しにくいという特性を持っています。そのため馬肉は刺身で味わうことができるのです。もともと食中毒のリスクの低いことに加え、厚生労働省の定める「生食用食肉の衛生基準」によって、しっかりとした衛生管理のガイドラインが確立しているので安心です。
馬肉はタンパク質が豊富
馬肉は三大栄養素の一つであるタンパク質が豊富に含まれています。タンパク質は複数のアミノ酸から構成された栄養素で、人間の身体のおよそ5分の1を占めている重要な栄養素です。血液や筋肉などを作る働きを持ち、エネルギー源としても活用されます。
タンパク質の中には人間の体内では作り出せない必須アミノ酸が存在します。そのため、毎日の食事でタンパク質をしっかり摂取することが必要です。タンパク質が不足すると筋肉量が減ったり、肌や髪の毛のコンディションが落ちたりします。
ダイエットで注意したいのが、タンパク質不足です。食事を制限することでタンパク質の摂取が減ってしまうと、筋肉が落ち基礎代謝も低下してしまいます。基礎代謝とは生きるために消費されるエネルギーです。人間は寝ている時でも呼吸を行ったり内臓が働いていたり、体温を維持したりするため、常にカロリーを消費しています。基礎代謝が低下するということは、痩せにくい体になるということです。
タンパク質は美容にも欠かせません。どんなに体重が減っても、肌の調子が悪かったり髪にツヤがなかったりしては美しいとは言えないです。ダイエット中は適度にタンパク質を摂ることを心がけましょう。馬肉はタンパク質をきちんと摂れる食材としておすすめです。
100g中に含まれるタンパク質
肉の種類 | 100g中に含まれるタンパク質 |
馬肉 | 20.1g |
牛肉(もも) | 20.7g |
牛肉(リブロース) | 16.8g |
豚肉(肩ロース) | 16.4g |
鶏肉(むね肉) | 22.3g |
参考資料(文部科学省「五訂増補日本食品標準成分表」)
他の肉類と比較しても馬肉は十分な量のタンパク質を摂取することが可能な上に、ダイエットでネックになる脂質やカロリーが低いという特徴を持っています。
馬肉は鉄分が多い
馬肉は肉類の中でも鉄分が豊富です。鉄分は血液の中の赤血球や筋肉に含まれます。主な働きは酸素を運んで体中に届けることです。鉄分は不足すると、体内が酸素不足になり貧血を引き起こしてしまいます。
貧血以外にも疲労感を感じたり、免疫力が低くなるなどの要因になります。立ちくらみを起こす、なかなか疲れが取れないという場合にも鉄不足が関係しているケースがありますので注意が必要です。
鉄分は汗や尿とともに体の外へ排出されるので、毎日しっかりと補っていきましょう。現代の食生活では鉄不足になりやすいので、意識的に鉄分を摂取することが求められます。妊娠中の女性・成長期の子供・大量に汗をかくアスリートは、必要な鉄分の量も多くなるため不足しないように特に注意することが必要です。
100g中に含まれる鉄分
肉の種類 | 100g中に含まれる鉄分 |
馬肉 | 4.3㎎ |
牛肉(もも) | 2.7㎎ |
牛肉(リブロース) | 2.0㎎ |
豚肉(肩ロース) | 1.2㎎ |
鶏肉(むね肉) | 0.2㎎ |
牛レバー | 4.0㎎ |
豚レバー | 13.0㎎ |
鶏レバー | 9.0㎎ |
あさり | 3.8㎎ |
参考資料(文部科学省「五訂増補日本食品標準成分表」/
日本食品成分表7訂)
鉄分が豊富な食材として有名なレバーやあさりよりも、馬肉の方が鉄分の含有量が多いという点に注目してください。レバーやあさりが苦手な人は馬肉を食事に取り入れるのがオススメです。ただし注意点として妊娠中は生食は適さないため、馬刺しではなく加熱して食べるようにしましょう。
馬肉とグリコーゲン
馬肉はグリコーゲンを非常に多く含む食材です。グリコーゲンとはブドウ糖が繋がって構成された多糖類の一種で、運動時のエネルギー源として活用されます。グリコーゲンは血糖値を一定に保つ働きをもっているのが特徴です。疲労が回復したり、集中力が高まったりする効果も期待されます。
グリコーゲンは、主に筋肉や肝臓に含まれている成分です。人間は食事によってエネルギーを作り出しますが、そのエネルギーをグリコーゲンに変換し、肝臓に貯めることができます。肝臓に貯蔵できるエネルギーは約300~400kcalほどと言われています。
肝臓に貯められたエネルギーは約8時間で空になりますが、ハードな運動を行うと1~2時間で空になるので注意が必要です。グリコーゲンが不足すると、運動パフォーマンスの低下につながります。グリコーゲンは疲労回復にも役立つため、特にアスリートに注目されている食材です。
スタミナを向上させるためにはトレーニングや試合の前にグリコーゲンを摂取し、エネルギーを貯めておくことが大切です。そのためアスリートは積極的にグリコーゲンを摂取し活用しています。
100g中に含まれるグリコーゲン
肉の種類 | 100g中に含まれるグリコーゲン |
馬肉 | 2290.4㎎ |
牛肉 | 674.5㎎ |
豚肉 | 432㎎ |
鶏肉(ささみ) | 98.2㎎ |
参考資料(グリコーゲンの含有量と水和度との比較)
馬肉は肉類の中でもトップクラスのグリコーゲン含有量を誇っています。グリコーゲンは旨味を引き立てる働きをするため、馬肉は他の肉類にはない美味しさがあるのが魅力です。
馬肉のカロリー
馬肉のメリットの一つがカロリーの低さです。ヘルシーミートの一つとして馬肉は人気を集めています。ダイエットをしている人にとってカロリーは気になるポイントです。そもそもカロリーを摂りすぎることによって、どのようなことが起きるのでしょうか?
まず、カロリーは活動に必要なエネルギーですので、最低限なカロリーは確保しなくてはいけません。しかし摂取したカロリーが消費カロリーを上回ってしまうと、カロリーは脂肪に変換され身体に蓄えられていきます。
つまり、太ってしまうということになります。身体についてしまった脂肪は落とすのが大変ですので、摂取カロリーをおさえて太るのを回避するのが理想的です。しかし食欲を無理に押さえつけて我慢をすると、ストレスが溜まってしまいリバウンドするというケースが多くみられます。
馬肉をダイエットに取り入れることによって、様々な栄養を摂取できてカロリーをおさえることも可能です。
100gあたりのカロリー
肉の種類 | 100gあたりのカロリー |
馬肉 | 110kcal |
牛肉(もも) | 191kcal |
豚肉(もも) | 128kcal |
鶏肉(もも) | 116kcal |
参考資料(食品栄養成分表 2015年版)
鶏モモ肉よりも馬肉の方がカロリーが低いという利点があり、しっかり食べてもハイカロリーになりにくいのでダイエットに最適なフードです。
まとめ
馬肉は三大栄養素のうち脂質とタンパク質を豊富に含み、昔から栄養価が高いことで知られています。馬肉は栄養価に優れたヘルシーミートとしてアスリートからも注目を集めています。高タンパク質&ローカロリーなので、馬肉はダイエットにもおすすめです。